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「マネジメントの視点」バックナンバー

[第100号]2007/12/07


 人に教えることができるということ
 

● 新人の配属 ●

製品の売れ行きが好調で、ある製造ラインの操業形態を、2組から3組体制に
するために、新たに数名がラインの操業に加わってきました。

過去からやってきたように、配属時教育を行い、暫くの間先輩社員について操業を
教えてもらい、そして一つの工程を任され増産体制がスタートしました。

従来からトラブル停止が頻繁に起こっていたラインだったため、
2組体制の時は、生産計画どおり製品が出なかったときは残業で追いつくことが
できたため、トラブル停止も問題が大きくオモテには出てきていませんでした。

ところが、販売が好調で、ラインの生産能力はこれだけあると計算して、
好調な販売を支えるために3組体制でいけると読んでいたものの、

現実は計画以上の販売量に増えつつあり、3組体制になってしまえば、
今までのように残業で追いつくこともできず、問題が表面化してきました。

ライン停止は特に、新たに配属された新人のところで多く、教育期間が不足して
いたこともあるかもしれませんが、理由はそれだけではないようです。

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● 昔ながらの教え方 ●

ラインの設備的な問題は、まず再発しないように直すことが原則ですが、ここの
ラインでは、あまり修理費を使わず、その場その場で復旧に近い修理をしてきた
ようです。

今までの操業員の人達は、ラインがおかしくなればあちこちつついて、復旧させて
いたために、長年繰り返しているうちに一時的な復旧がうまくなっていただけなの
です。

新人が入ってきて操業を教えるのにも、型通りの作業基準があり、トラブル時の
復旧方法はみな操業員の頭の中にあるのです。

トラブル時の対応は、その場になって「やって見せてやらせてみて・・・」と経験
させないと、言葉だけで説明してもなかなか理解するのは難しいものです。

しかし、「やっているのを見て覚えよ」に近い教え方では、
このラインでは単に今までやっていた「調整」方法を伝えるだけで、
繰り返し経験させてコツをつかむしかなく、

生産性が向上してくることは期待できません。

様々なところで言われていますが、
トラブルには原因があり、原理原則から外れたことが起こっているから
トラブルになるのであり、その原理原則を知った上で、再発しないように直す
ことが鉄則です。

ですから「こうやったらうまくいった」という経験知は、何も考えていないと
いうことです。
以前「こうやったらうまくいった」から「こういうときはこうやるのだ」は、
設備の調整をやっているだけで、根本の解決ではありませんから、本来やっては
いけない事なのです。

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● 人に教えることができるということ ●

人に教えることができるレベルになるということは一つの目安です。
しかし、それは原理原則を教えることができることが必要で、
上記のような調整の類を教えてもらっては困るのです。

それでもまだ以前は、ベテラン社員がマンツーマンで現場で説明しながら教え、
新人は都度メモしながら現場で、原理原則を学んでいる光景がありましたが、

最近は分厚い作業基準や安全基準を渡し、会議室に呼んで読ませたり黒板で
説明したりと、マニュアルを使った教育が多くなってきているように思います。

トラブル事例と対策等、まとまったものを渡して読んでもらうのはよいことだと
思うのですが、一つひとつのトラブル事例が、原理原則から何が外れているから
起こるのかをきちんと説明して、だからどこをどのように直さなければいけない
のかを理解させていく必要があるのです。

ある現場では、長年積み上げてきたトラブル事例集があり、項目で索引できる
ようになっており、一つひとつの経験してきたトラブルに対し、

原理原則に基づき何故起こったか、
どういう現象が現れてきていたか、
どこの部品を交換したのか、

が整理され、操業員はいつも問題が起こったら、現場で過去の同類事例を参考に
して修理を行っています。

                                以 上


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