● トヨタ生産システムも万能ではない ●
自動車部品を製造する会社が地震により製造出来なくなったために、日本中の自動車会社が生産停止という事態に陥ってしまいました。
表面的には大手の自動車会社の生産停止ですが、根は深くて、大手の自動車会社に 部品を納入したり、人を派遣していた多くの部品製造会社、卸売り業、人材派遣会社などへの影響は計り知れないものがあります。
大手なら少々の生産停止も影響を吸収できるでしょうが、末端に行けば行くほど 会社は小さくなり、その影響が大きなものになってしまいます。
日本の多くの会社が、トヨタ生産システムをあたかも最高のものと信奉していた時 ですから、再考する良い機会を与えてくれたことになります。
全てにおいて物事には二面性があり、良い面があれば悪い面が必ずあるのは当たり 前で、トヨタ生産システムも万能ではないようです。
IBMに「20%ルール」というのがあります。
IBMが相手との取引を解消しても相手企業に支障が少ないように、また、相手から取引を解消されてもIBMに支障が少ないようにとの考えからです。
このような考え方が大手の自動車会社の基本にあったなら、今回のような問題は 起きなかったでしょう。
大手の自動車会社には、ぶどうの房のように多くの中小企業がぶら下がっており、 彼らに被害は及ばないようにするのが、本来の企業の共存共栄の姿ではないで しょうか?
巨大に成った現在のトヨタシステムには、当たり前のことですが、強者の論理が いろんな所で垣間見えます。
--------------------------------------------------------------------------- ● トヨタ生産システムの基本的な考え方だけを学び ●
トヨタ生産システムが大野耐一氏によって世に表面化したのは今から29年前の 昭和53年です。トヨタ生産システム、トヨタシステムなど多くの書籍が出版され、最近でも ・トヨタ式 最強の経営 ・超トヨタ式チェンジリーダー ・ザ・トヨタウェイ(上・下) などで紹介され続けています。
当ホームページの「先人の知恵行動指針心得帳」の中で、 「トヨタウェイ2001」と「トヨタウェイの十四原則」を紹介していますが、 基本の考え方は、何も難しいことを言ってる訳ではなく、ごく当たり前の事を 言ってるだけです。
その当たり前の事を、トヨタと言う会社に適したやり方で、実直にやり続け成長し 続けているのが現在のトヨタの姿で、30年前ならいざ知らず、強者になって しまったトヨタのやり方を、中小企業がそのまま真似するのは甘すぎると言うか、 無謀と言うか、怖いもの知らずと言うか、そもそも無理があります。
中小企業は、トヨタ生産システムの基本的な考え方だけを学び、自社にあった やり方を模索しながら(仮説検証や試行錯誤行う)自社に合った生産システムを作るしかありません。
--------------------------------------------------------------------------- ● 自立企業の道を選ぶ ● 中小企業が相手と取引をする際、相手との力関係をどのように考えるかで全てが 決まってしまいます。
・相手の傘のしたで安定的に取引をするのか? ・自社が主体的になり取引をするのか?
当然、前者は下請け体質であり、利益は少ないが取引先さえしっかり捕まえて おけば、市場や社会状況の変化さえなければ後は楽です。
後者は自立的企業ですから、販売から開発まで何でもやらないといけないわけで、 リスクも苦労も大きくなります。
それぞれ、その会社の置かれた状況や社長の考え方で決まってしまいますが、
グローバル化が進み、人口が減り市場が縮小する中では、全ての会社にリスクが あるわけで、自立企業の道を選ぶしか企業が生き続けるのは難しいと言わざるを 得ません。
そのような、「目標にチャレンジすること」や「革新すること」をトヨタは説いて います。
--------------------------------------------------------------------------- ● 人を成長させながら仕事をしていく ●
トヨタシステムのJIT、見える化、5S、かんばん、あんどん、5回のなぜ、 自働化、平準化など、これらを真似するのも一つの方法かもしれませんが、トヨタの強さの秘密はいったいどこにあるのでしょうか?
やはりそれは、「人を大切にする」、つまり「人を成長させながら仕事をしていく」点にあると言えます。
社長から役員、管理職、リーダー、第一線の操業員まで全ての人が、仕事から逃げることをせず、仕事をするためにどうすればよいのかを突き詰めているのです。
中小の会社は、ややもすると、難しい、この位でいいや、無理だなどと逃げている 場合が多く見受けられます。
表面的なテクニックに走るのではなく、「人を成長させながら仕事をしていく」 この一点に集中し、自社にあった「人を成長させるための仕事の進め方」を考えて みることをお薦めします。
以上
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