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「マネジメントの視点」バックナンバー

[第059号]2007/07/03


 同じ失敗を繰り返さない取組み
 

● 目先の仕事を優先してしまう ●

製造の現場にいると失敗、失敗の繰り返しです。小さいものから大きいものまで、
それも種々雑多です。災害や火災などの大きな事故も必ずといって良いほど同じ事を過去に経験しているのが常です。

みんな同じ失敗を繰り返したくないと思っているのですが、喉元過ぎれば暑さを
忘れるではないですが、対処が終わるといつの間にか再発防止の取組みを忘れて
しまいます。

組織の中で再発防止の取組みが上手くいかないのは、

失敗した経験が本人の中に蓄えられるため、本人はまず同じ失敗を繰り返すことは
無いし、失敗するのが他人だからです。

だからよほど上司や工場長や社長が再発防止の取組みに力を入れないと、失敗を経験した本人は目先の仕事を優先してしまいます。

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● 全社員が理解し行動で身に付ける ●

事例集、事故報告書、ワンポイントレッスン、べからず集、○○ニュースなど
表現はそれぞれ違いますが、同じ間違いを繰り返さないための取組みが、多くの
会社や工場で行われています。

ところが実際は、原因分析や対策、責任の所在などに力点が置かれ、同じ失敗を
再発を起させないための取組みがおろそかになっているのが現実です。

また、対策を行ったからもう大丈夫とそれで終わってしまう呑気な会社もあります。

5〜20人くらいの小さな会社では、失敗したことが全員にすぐわかり、その経験を全員がすぐ共有できるでしょうが、交代制の職場や、働く場所が異なっていたり、社員同士が常時顔を合わせる事のない職場では、失敗の経験を共有させるのは、なかなか難しいものです。このような会社が大半でしょう。

やはり、再発防止の取組みの基本は、

解りやすい書面にし、全社員に知らせて、説明して、理解してもらい、訓練して
行動で身につけるしかありません。

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● 「ワンポイントレッスン」作成のポイント ●

各社で作成している再発防止のための書類の名前は、社員一人一人に心理的影響を
与えるので、重要です。

事例集では、なんとなく失敗を全員に知らせ責められてる感じがするし、
事故報告書では、責任を追及されてる感じがするし、
べからず集では、きつく指示されてる感じがするし、
○○ニュースでは、他人事で聴いて終わりみたいな気がします

自分たちの職場を自分たちで良くして行こう、自分たちのために再発させないようにしよう、自分の仕事のために学ぼう、と言った意識を、少しでも全社員に持ってもらおうと考えるならば、「ワンポイントレッスン」と言う呼び名が上記の中では一番良いでしょう。

これなら、作成する人も教えるために作成することになるし、見ても・聴いても
この事から学ぼうと言う気がします。

「ワンポイントレッスン」の作成ポイントは五項目です。

(1)失敗を経験した人が自ら作成する。
    ・自ら作成することで、なぜ問題が発生したのかを、基本の原理原則から
     学ぶことが出来る。

(2)失敗を経験した人が教える。
    ・失敗した人から教えてもらうことで、自分が同じ間違いを起さない
     ようにと真剣に学ぶ。

(3)作成する事と教える事を仕事として(残業)行なう。
    ・失敗を再発させないことが仕事であることを、本人だけでなく、
     他の人も認識する。(時間内に出来ない場合は残業で行う)

(4)出来るだけ文章を少なくし、写真・図・漫画をふんだんに使う。
    ・文章は作るのに時間がかかるし、難しいし表現方法によっては勘違いが
     発生しやすい。また、読み・見る方も文章では理解しにくい。

(5)グループごとにファイリングし、見えやすい所に保管する。
    ・作成したワンポイントレッスン資料が重要であることを認識すると
     同時に、新入社員や新入部員は自ら学ぶことが出来るし、
     グループリーダーも自然に教えようとする。     

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● 失敗を責めない職場風土 ●

前述のようなワンポイントレッスンがやれるようになるには、なんといっても
職場風土が一番肝心です。

人間は神様ではないのですからミスをするのは当たり前で、ミスを非難したり
責めたりするのではなく、ミスをするような行動をいかにして無くしていくかに
取り組む職場風土でなければなりません。

失敗を責めたり、失敗の責任を追及したり、失敗を業績や能力評価に反映すると、
失敗が表に現われなくなったり、真の原因が見えなくなってしまいます。
多くの会社でこの点が見過ごされ、同じ問題が繰り返されています。

失敗を歓迎するとまでは言いませんが、トップ自らが「失敗から学ぶ」ことを
宣言し、行動で示し、さらに失敗を再発させない取組みを高く評価するように
すれば、再発防止の取組みはスムーズに進んでいきます。

ひいては、この繰り返しが、個人の力を大きくし、組織の力を大きくすることに
つながります。

                      以 上


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