● ゆで蛙現象 ●
周りの環境が少しずつ変化していることに気が付かず、気が付いた時はもう手遅れになっている「ゆで蛙」現象、誰でも知ってはいるのに陥ってしまう罠は、至る所に存在します。
かつての右肩上がりの市場、模倣でもよいから安く売ればそこそこ売れることを経験しました。 当時は価格勝負し製品在庫率がいつも低く、ラインは24時間フル稼動していました。
ところが次々と市場への新規参入が相次ぎ、そのために価格競争が激化し、価格が どんどん下がっていき、他社に追随して価格を下げなければ販売数量が減ってしまう状況で、今ではラインはとうとう一直操業となってしまいました。
ラインの生産量が減るのに加え、そこに最近の原材料の高騰が加わり、製造コストの上昇につれて利益が急速に下がってきています。このため、このラインは生産体制を縮小すると共に操業員の省人化を進めてきました。
さらに生産効率を上げることによって、省人化をさらに進めようとしています。
生産性を引き上げる目標をラインに課し、ロス率を減らす、稼働率を上げる、ライントラブルを減らす、と取り組み項目を定め、取り組ませてきました。
ところが、かつてのフル操業していた時の、生産量さえ増えればコストは下がると いうことが体質にあり、効率を上げていくために、今までとは違うやり方や知恵を 出すことをするのではなく、ひたすらなんとかラインを止めないようにして操業してしまいます。
--------------------------------------------------------------------------- ● 困らなければ動かない体質 ● 現状の生産量においては、設備能力は充分にあり、かつ日々生産に追われている状況ではありませんから、月々の計画生産数量は無理な数字ではありません。
一時的に増産が必要なときは残業でこなせばよいわけですから、操業員にとっては、現状の操業体制に問題があるとは思わないし、販売が減ってしまったために省人化した今の操業体制にせざるを得ないのだ、としか思っていません。
設備的なトラブル等で生産が落ちたときは、残業で取り返せるために、効率を上げていく取り組み課題を与えても、なかなか本気で取り組まないのです。
すなはち、操業員にとっては現状の操業体制に誰も困っていないのですから、必死で考えてもっと高い目標に届くようにしようという姿勢が出てきません。
現状に安住した意識が生まれ始めると、思考が止まり始め前に推進するエネルギーが小さくなっていきます。
この意識の発生を見逃さず掴み、新たな手を打つ運営が必要です。
--------------------------------------------------------------------------- ● 困る状況をつくり改善を考えさせる ●
どんな仕事もそうですが、やっている者が困ると考えなければ、それを改善する ために、何かを変えなければいけないということを考えません。
やっている本人たちが、現状に特に困っていない、むしろ居心地の良さを感じているなら尚更、変える事に抵抗してしまいます。
しかし、今までの事例を振り返れば、変化は常に外からやってきて、いつもその変化に対して右往左往させられていることが多いのです。
いずれは変えなければいけないことになるのなら、早く手を打つべきであり、そこを一歩遅れるために、後で大変なことになってしまうことが多いはずです。
しかし、現場で省人化して効率を上げるやり方を考えさせる、スタッフ2名分の仕事を一人でできるようにさせる、等、当人が困る状況を先に作って考えさせていこうとするやり方も、時には良い知恵を生みますが、難しい課題であればあるほど、途中で投げ出してなかなか思ったようには進みません。
むしろ、当事者にとっては被害者意識ばかりが膨れ上がり、効率をどうやって上げて行くかの知恵を出すのが難しければ難しいほど、途中で挫折してしまいます。
この時、課長は課題を投げるだけでなく、自らも知恵を出す、他社での事例を探してみる、設備や薬品メーカーに聞いて情報を集めてみる等、当人達に考えさせるためのヒントや事例を探してくる、ことも解決に向けたきっかけを作ることができます。
困った状態をつくること、そこに知恵を出させること、そして、知恵を出すツールを与えて導いていくこと、も合わせて行うことが必要です。
以 上
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