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「マネジメントの視点」バックナンバー

[第055号]2007/06/19


 人事考課で注意すべき点
 

●人事考課ほど難しいものはない●

人が人を評価する、人事考課ほど難しいものはありません。
評価する側も評価される側も人間ですから、複雑な深層心理が働き、小さな会社に
なればなるほど難しくなります。

しかし、組織目標を達成し、組織に活力を持たせ続けるためには、人を成長させて
いかなければならず、公平な評価に基づく人事考課は切っても切り離せません。

人事考課の利用は一般的には以下の目的で行われています。

     (1)昇給の査定
     (2)賞与の査定
     (3)昇進・昇格の決定
     (4)適材適所のための配置転換
     (5)教育・指導

この人事考課を昇給・賞与の査定や昇進・昇格の決定のために利用すると、報酬や
出世が絡んでくるため、どうしても部下は上司に対し、期待と同時に不信感や不安感そして嫉妬といった感情を持ってしまいます。

だから、評価する側の上司が

(1)評価の罠に陥いらないようにする
(2)目的に合わせ評価項目を活用する
(2)上司と部下が相互に納得しやすいように、具体的事実や数字や行動の結果で
   表していくようにしていく

ことの三点が重要になってきます。

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●評価の7つの罠●

評価する側の上司にはいつも「7つの罠」が待ち受けています。このことを認識していないと、折角行った評価が意味を成さなくなるだけでなく、部下からは反論されるし、貴方自身の能力にも疑問を抱かれます。

人事考課を行う時は、いつも7つの罠をチェックしながら行い、自らの評価技術を
向上させる努力が必要です。これは何度も何度も事例をもとに訓練が必要です。

(1)寛大化傾向
    部下から嫌われたくない、批判されたくないといった心理から甘くなる。
(2)厳格化傾向
    部下から甘く見られないように評価が辛くなる。
(3)中心化傾向
    人間は極端な評価を嫌うし、十分な理解がなされなくて真ん中に集まる。
(4)ハロー効果
    一面の評価が他の要素の評価に影響を与える。
(5)対象誤差
    自分自身を基準に評価する。
(6)論理的誤差
    評価する要素を論理的に結びつけてしまう。
(7)接近誤差    
    前の部下の評価が次の部下の評価に影響する。

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●評価項目の目的別使い方●

評価項目は業務実績、執務態度、能力、性格が一般的です。

この評価項目をどのような目的で、どのように使うかが重要で、人を活かすも殺すもこの使い方で決まってしまいます。

特に業務実績は、チームで仕事をする工場の場合、個人評価ではなく、チーム評価を取り入れないと、協働・協調といった面に悪影響を及ぼします。
それは業務実績が個人で成し遂げられるものではなく、上司、部下、同僚そして他の部門の影響を受けるからです。この点を間違ってしまうと、能力ややる気のある人の力を阻害することになってしまいます。

  ・昇給や賞与は、業務実績と執務態度で評価する。
  ・昇進・昇格は、能力を重視する。
  ・適材適所は、能力と性格で配置する。
  ・教育・指導は、業務実績と執務態度で行う。

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●評価はすべて事実をもって行う●

評価は必ず事実の基づいて行うのが基本で、これを間違ってしまうと上司と部下の
信頼関係が壊れてしまいます。
評価することは、部下の良い点はさらに伸ばし、悪い点は指摘し、改善してもらう
ことに目的があるわけで、部下の成長のために行っていることをきちんと理解して
もらうことが大切です。

業務実績、執務態度、能力、性格これらはすべて事実で見ることが出来るし、事実の指摘なら、部下も納得し、さらなる成長にもつながります。

・業務実績は損益、コストダウン、安全、品質、生産性などすべて数字で現れて
 きますから、総合的に判断すればいいだけです。

・執務態度は常日頃から、部下が行った行動で、良かった事、嬉しかった事、困っ
 た 事、止めて欲しい事を記録していると簡単です。

・能力、これは発揮された能力か、まだ発揮されていない潜在能力かをよく混同し
 て しまいます。評価は発揮された能力で行い、潜在能力は面談の時に期待して
 いる点として相手に伝えるのがよいでしょう。そのためには、発揮された能力と
 潜在能力とを別けて評価することです。

・性格、これが一番問題になりやすい項目です。そもそも人の性格は良い悪いなど
 なかなか判断できませんし、生まれながらにして出来上がった性格はなかなか
 変わるものではありません。評価はあくまでも、仕事に支障の出た性格面を、仕
 事の結果に結びついた性格面を事実で表すことです。上司は決して自分の価値観
 や好き嫌いで性格を評価しないことです。性格は変わりません、変えることが出
 来るのは仕事のやり方だけです。

人を評価する、人を見る目ほど重要なものは無いのですが、誰もが能弁な罠に引っかかってしまいます。事実で評価することを社内に定着させると、不平、不満、愚痴のない公平な職場が実現できます。

以 上


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