● 機能していない購買部門 ●
前回に続き購買の仕事について、問題を抱える購買部門の事例を紹介します。 原材料の値上げが続き、しかも物によっては、資材の原材料自体の供給能力の不足が懸念され、今までの取引先との交渉のやり方では通用しなくなり始めています。
ある購買部門は、新規開拓だの、代替品への切り替えだの、着手はするのですが、 一向に成果が現れません。
原油価格が上昇している中、原材料価格が一段と値上がりしていくことは、早々に 分かっているのに、メーカーから値上げを突きつけられるまで何も手を打って いないのです。
この先どういう買い方をしていくのか、の方針もはっきりとせず、一体値上がりに よって、会社の予算がどれだけ当初予算と乖離を起こすのかが、全く見えていないのです。
--------------------------------------------------------------------------- ● 日々の仕事だけやっていたのでは打つ手がない ● 製造ラインは、販売と在庫の変動によって、生産計画を毎週のごとく変更し、生産 計画変更の度に購買担当者は、発注の変更をメーカーに対して行っています。
発注の変更を行えば、発注数量が間違っていた、品番が違う、その都度メーカーとの連絡ややり取りを繰り返しています。
前任の担当者がそういう仕事をしていて、それを引き継いだものですから、日々の 発注の仕事が主業務と担当者は考えているのです。
多くの物が、買い手市場から売り手市場に変ってしまった今、かつてのような我侭な仕事のやり方を続けていたのでは、そのうちメーカーは離れていってしまいます。
日々の仕事ばかりやっているから、先の事が見えていません。 来月以降の生産計画がどうなっていくのか、それによって購入数量や購入先を どうしていくのかが見えていません。
市況が今どう変わっていっているのか、自分で調べて考えなければいけないという 事など、全く頭にありません。
こんな仕事を続けていたのでは、値上げ要請があってから、どうしようかと考えても打つ手がありません。 一体上司は、担当者がこんな仕事しかしていないのに、何故仕事のやり方を 変えようとしないのでしょうか。
--------------------------------------------------------------------------- ● 先々のことを考えて仕事を行う ●
部門や会社の先々の予算と損益を見て、先々のことに対して手を打っていかねばならないことは当然のことです。
しかし人は悪い予兆があっても、もう少しは今の状況が続いてくれると自分に言い 聞かせてしまいます。 明日急に状況が変わって大変なことになるなど、まさかあるまいと、思ってしまい ます。 もし急変した時は、誰かが動いてくれ、良い知恵を授けてくれると期待します。
あるいは、その為に役員や自分の上司が居るのであって、自分がそこまで頑張って 動かなければいけない責任は、自分にはないと思っているのでしょうか。
部長や課長になれば、一部門・一セクションの運営に責任があります。
先々どういうことが起こりうるのか、目標予算と現状との乖離をどのようにして 埋めていくのかを考え、実行する仕事をしていかなければいけません。
先ほどの購買担当者の仕事も、常に先々の市況を読み、購買政策と計画があって こそ、それを毎月見直し、これで良いのかを考え、会社の損益に与えるリスクを 発信し、回避策を考え、早め早めに手を打っていくことによって、経営の仕事の 一翼を担っていけるのです。
日々の仕事に埋没するのが一番楽です。
でもいつかは行き詰まります。
以 上
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