●何をすればよいのか悩む課長●
今までは上司に恵まれ、問題に対しては上司から適切なアドバイスをもらい、 その都度報告し相談しながら進めてきて、さして大きな問題を起こすことなく、 課長まで昇進してきました。
本人も、真面目に一歩ずつ階段を登ってきて、自分なりにも経験を積んで実力を 上げてきたと思っています。
堅実な仕事のやり方を評価され、上司の信頼を得てきた結果、今まで育ってきた 部門を離れ、新たな事業を立ち上げるために、予備調査をしていくための仕事を 一人で進めることになりました。
全く新しいエリアであるため、社内には知見を持った人はおらず、周りは新規 事業なんてなかなかうまくいくわけがないと傍観です。
新たな仕事を命令された本人は、まずは上司に相談してみるものの、今までの ような的確な指示があるわけではなく、全て自分でやらなければいけない仕事の 環境に置かれて、何をどう進めていけばよいのか自分で見出すことができず、 悶々とした日々を過ごすことになってしまいました。
-------------------------------------------------------------------------- ●指示待ちで育ってきた環境● かつて昭和50年代、市場の伸びに合わせて企業は設備投資を行い、営業組織を 全国に拡大しと、組織が拡大し人を採用し、人を育てている余裕がないものです から、若いうちから最前線に放り出されて、自分で切り開いていかざるを得ない 状況でした。
そういう経験をした人達が、組織の中で課長として仕事をし始めた時には、 バブルが終わり、多くの企業は人の採用を控え事業の縮小に入っていました。
その後、組織間のジョブローテーションが停滞し、スタッフから係長・課長に なっても相変わらず日々の仕事を手放そうとせず、部下のスタッフに考えさせ やらせることをやらなくなってしまったために、上から下まで、日々の仕事を 繰り返すことに何の疑問ももたなくなってしまいました。
今までの仕事のやり方を変えるだとか、停滞する事業をさらに伸ばしていく ために、方針を今までにはない方向に向け、どのように進めるかを考えていく 仕事は、誰かが指示してくれるのだと思い、自らやろうとはしなくなってしまって います。
与えられた日々の仕事を一所懸命にやることや、いつも上司から指示が出て動く ことが、当たり前として身に付いてしまっていると、今までとは異なる、経験も 知識もないエリアの仕事をしなくてはならなくなった時、自分で考えて進めて いく事ができなくなってしまいます。
-------------------------------------------------------------------------- ●自分の力で切り開いていかせる経験をさせる●
大企業では多くの部門があり、部門内でもいくつかのセクションがあるため、 一定の期間毎にジョブローテーションによって、それらの部門やセクションを経験 させていく人事が行われ、それまで全く知識のない仕事につく経験をします。
一方、限られた組織や部門の中で仕事をしていく場合においても、上司が部下に あれこれ作業を指示するやり方をしていては、いつまで経っても部下が自分で 考えて仕事をするように育ってきません。
管理職になればいつかは、今までの仕事のやり方や知識や経験が通用しないエリア に異動になり、自分の力で仕事を進めていかなければならない状況に直面する ことは、覚悟しておかねばなりません。
売上げがどんどん縮小していっている部門や、赤字が大きく膨らんで誰が行っても なかなか立て直せない部門、に異動になったとき、その時、貴方の本当の実力を 試されるのです。
部下の育成もそうですし、自分自身も、常に自分で考え、自分で決めて、自ら 行動を起こして、仕事の結果を出していくことをやらねければいけないのだと いうことを、肝に銘じておきましょう。
ホームページ http://www.mma-office.com 「行動指針心得帳」に載せて いる「できる会社の 社是・社訓」 千野信浩著 新潮新書の中には、自らを 省みるべき言葉が紹介されています。
以 上
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