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「マネジメントの視点」バックナンバー

[第125号]2008/06/10


 競争力を失った会社
 

● 独りよがりの製造現場 ●

競争力を失い、収益が下がってしまったある企業の製造現場。

ある特定の製品を下請けで作っている企業、もう何年にも渡りその製品を作り続け
ていて、特に大きなモデルチェンジもなく、安定した量を親会社から受注してきていました。

経営は安定し、社員も皆よい会社に勤めていると感じ、退職者も少ない日々でした。

ところが数年前から、親会社からの受注量が減り始め、それに合わせてラインを
縮小し、採用を減らして自然退職で社員を削減することで、利益を確保してきました。

別の製品を作るには新規の設備を導入する必要があり、それだけの体力はありませんし、必要なときは親会社頼みですから、経営トップは新規事業を考えるのではなく、今の製品の生産にしがみついてきました。

それでも国内市場ではまだその完成品のニーズがあり、しかも新興国での需要も
伸びてきていることもあり、国外向けの話が舞い込んできました。

ところが価格的には採算が厳しく、その話は立ち消えになりそうです。

自分達は一所懸命にやってきたと思ってはいますが、いざ国際市場に打って出よう
とすると、競争力がないことに気が付き、会社の先行きが見えなくなってしまって
いるのです。

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● 目標が間違っている ●

国内での競争は、多くの製品が成熟市場になってしまい、一方では原材料の高騰が
続く中、今までの様な、消費者が望んでいようがいまいが新たな機能を付加していく開発のやり方ではすぐに行き詰まってしまいます。

国内市場だけで競争してきた上記のような会社は、かつては特定エリアの製品が
好調だっただけに、先々のことを考えて手を打っていくことをしていなかったばかりに、経営が行き詰ってしまいました。

製品の売れ行きが好調なときは、生産性を上げることに重点を置き、売れ行きが
下がってき始めても、更に生産性を上げていくことで乗り切ることしか考えて
いなかったのです。

材料費も3〜4年前までは単価を下げていくことができましたが、今では年に
何回も値上げを飲まざるを得ない状況です。

ところが工場の中では、今でも一日あたりの生産目標いくら、とかの目標を貼り
出して、操業員のたゆまぬ努力に期待する運営を行っており、
また一人当たりの生産性をどこまで上げて、固定費をどこまで下げるかの予算の
考え方しかありません。

自分達の製品が、どこで誰とどのレベルの競争をしているのかの自覚がなく、ひたすら自分達だけの狭い世界の中で一所懸命にやってきたのです。

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● 製品の損益に責任を持つ ●

これから先も原油価格は高騰し、種々の原材料の価格が上がっていくことは予想
されることです。

今迄のようにラインの停止時間を減らすための取り組みや、ラインスピードを
上げて生産性を上げていく取り組みは、もちろん重要なことですが、もはやそれ
だけでは、原材料価格の上昇には追いつかなくなってきています。

製造現場では、今までは製造原価をどこまで下げるのかが自分達の責任であり、
製品が工場を出た後は、物流や営業部門の仕事として関わっていなかったところが
多く見られます。

しかしこれからは、自分達が作っている製品の最終損益に責任をもち、販売に到る
までの全てのコストに関わり、物流コストの見直しや市場での販売単価の決定に
到るまで実態を知り、収益を上げるために製造部門として、手を打っていく運営に
変えていくことが必要になっています。

                                以 上


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