☆----原理原則------------------------------------------------------------------☆
・失敗から真摯に学ぶ。 ・失敗を公表し、温かく見守る失敗分析の社風をつくる。 ・「個人の失敗」「管理の失敗」「仕組みの失敗」と三つの方面から問題点を 分析・予測していく失敗予兆管理を行っていく。 ☆------------------------------------------------------------------------------☆
人間が関わり、望ましくない結果が失敗です。失敗体験から本質的な部分を理解して知識とする(学ぶ)には、わずかな自分の知識と経験と、他人の失敗体験があれば十分です。 アンテナを張り巡らせさえしておけば、必ず失敗の予兆は感知できるし、失敗を防ぐことが出来ます。 失敗原因を探り、対策を考え実行していくプロセスを繰り返すことが、成長、発展の原動力なのです。 ところが、人間の心理として「失敗は恥ずかしい」と思うのは当然なことだし、「上司から「叱られる」「怒鳴られる」「責任を問われる」「人事考課に影響される」など、ビジネスパーソンを取り巻く環境は、失敗を表に出すどころか隠してしまう方向に向いています。また上司にも悪いことは「聞きたくない」「見たくない」の深層心理が働いています。 我々は神様ではなく人間であり、失敗するのは当たり前です。失敗に真正面から向き合い、せっかく起こしてくれた失敗を他の人が起こさないような仕組みを社内に組み込めば、どれだけ仕事が楽になることでしょう。失敗を公表し、温かく見守る失敗分析の社風をつくると、「わかりませんでした」「気がつきませんでした」などの責任回避や思考停止症候群の企業病を避けることが出来ます。
失敗を生かすには「現象(事象)」「発生状況(経過)」「原因」「対策(応急・恒久対策)を他の人が使えるように整理し記録しておかなければ、組織の知識にはなりません。
ところが失敗情報には困った性質があるのでこの点を理解しておくことが必要です。 (1)人から人に伝わる中で減衰していく (2)失敗情報は隠れたがる (3)失敗情報は単純化したがる (4)失敗原因は変わりたがる (5)失敗は一面的な見方に偏る (6)失敗情報は他の場所には伝わらない だからこそ、失敗を温かく見守る社風とリーダーの役割が重要になるのです。
失敗の原因を大別すると以下の10項目になります。 (1)無知(2)不注意(3)手順の不順守(4)誤判断 (5)調査検討の不足(6)制約条件の変化(7)企画不良 (8)価値観不良(9)組織運営不良(10)未知 これらの原因をしっかり分析しておかないと、誤った対策が行われてしまうことになります。組織の中では「個人の失敗」「管理の失敗」「仕組みの失敗」と三つの方面から問題点を分析・予測していく失敗予兆管理を行っていくと良いでしょう。多くの会社で事例集や事故・異常分析や事故異常ニュースが機能しないのはこのところにあります。
実際にあったことから体感・実感して得た知識ほど身につくことはありません。失敗から「原因」と「対策(応急・恒久対策)を、ああでもない、こうでもない、こんな対策を、あんな対策をと考え実行するプロセスが、一人一人の創造力を上げ、引いては組織の知識を上げていくことになります。
失敗を繰り返している原因は (1)成果主義(2)マニュアル偏重主義(3)ダメ上司と偽ベテランの三つにあります。 成果主義の下、コスト削減を求めるあまり、必要なことまでやらなくなってしまいました。そして社員に、自社の物の流れを学ばせたり、他部署の仕事を経験させるなどの余裕を失ってしまったのです。 一方で、マニュアルで手順が決められ、その通りにやっとけば良い、書類が整っていれば良いと、異常に反応しない思考停止にも陥ってしまったのです。ルール通りに行われているわけではないのに。 さらに悪いことに、「そんなことをやってもうまくいかない」「自分も過去にやったけどダメだったから止めた方がいい」などと部下のやる気をそぐベテランや管理職が大勢いたのです。自分が対応できない問題が生じるとこれを無視し、対策もとらず見て見ぬふりをするのですから困ったものです。
昨今、事故やトラブルが相変わらず繰り返されています。リーダーには大失敗を起こさせてはならない大きな責任があります。地位にあぐらをかくことなく、必ず起こる失敗と上手に付き合っていくことが常に求められています。
「失敗学のすすめ」 畑村洋太郎著(講談社)の購読をお勧めします。
以上
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